バスクの伝統文化は独創的、独特、特徴的、そして興味深いものです。何千年も前から使われている独自の言語であるエウスケラ語を中心に確立された文化は当地の伝統・伝承の色に染められ、ペロタ、ボートレース、舞踊など、今日でもここにしかない独特の競技が多く存在します。
バスク地方には100,000年以上も昔から既に人が住んでいました。バスク地方とはバスク語-エウスケラ語を話す地方を意味し、ヨーロッパで最も古い言語の一つである当言語はインドヨーロッパ語の到来より古く、その起源は現在でも明らかにされていません。
歴史上直面した様々な苦境にもかかわらず、私たちの言語は今でも尚、バスク地方に生き続けています。
当地方独特の伝統的なスポーツは今でもバスク地方全体、もちろんサン・セバスティアンでも根強い人気があります。そして、いずれのスポーツも共通する点は賭け事。20世紀初頭より、賭け・ギャンブルとドノスティア=サン・セバスティアンにおける伝統的なスポーツは緊密な関係を維持しています。
海沿いの街であることから、ドノスティア=サン・セバスティアンで行われる漁労を起源とするトライネラのボートレースはとても重要。中でもコンチャ旗はカンタブリア海の主要な競技の一つ。夏の終わりを告げる頃に開催されています。
もう一つの定着した伝統的競技、ペロタペロタスクペロタには多くの種目がありますが、広く親しまれ、今日最もファンが多くポピュラーなものはハンドペロタとハイアライです。
バスクの田舎のスポーツ(エリ・キロラック)とは、バスク地方の農村・山間地帯で伝統的に行われている一連のスポーツ。これらのスポーツの多くは村落における農作業がその起源です。
バスク民族舞踊(エウスカル・ダンツァック)は、スポーツと同様にバスク地方のフォークロアの基盤の一つ。通常、各市町村には主要なお祭りの際に披露する独自の踊りがあります。サン・セバスティアンで9月初旬に祝うバスク週間(エウスカル・ハイアック)は文化、フォークロア、バスクスポーツが一つになる瞬間です。
ベルチョラリツァはバスク文化が持つ独自性の最たるものの一つ。ベルチョとは、一定の韻律や脚韻を通じて詩歌を即興で作り、歌うこと。ベルチョラリ(ベルチョを作り歌う即興詩歌人)になるためには、想像力と会話技能に長け、機転を利かせる必要があります。現在でも、選手権が行われています。